ゲームという体験をどう保存するか ~企業・美術館・研究機関、それぞれのアプローチ~

本、映画、音楽、絵画….。さまざまな文化・芸術作品に「アーカイブする」という慣習があるなか、インタラクティブメディアであるゲームはどう保存されるべきか? そしてそこから生まれるものとは? 研究機関、企業、美術館の、それぞれの立場からゲームのアーカイブの取り組みと未来への継承を考えます。

登壇者
細井浩一(立命館大学 教授)
三宅陽一郎(ゲームAI研究者)
副田一穂(愛知県美術館学芸員)


登壇者プロフィール

細井浩一
伝統芸能から近年のポップカルチャーにいたる様々な日本文化資源を総合的なデジタルアーカイブとして確立し、地域および産学公連携に立脚する新しい社会ビジネスモデルと連動させることによるコンテンツ分野の活性化に関心を持つ。デジタルゲームの長期保存に取り組むゲームアーカイブ・プロジェクトは、産学公連携によるゲームの包括的な社会的保存活動として1990年代後半から現在まで継続している。主な著書に『ファミコンとその時代』NTT出版、などがある。

三宅陽一郎
ゲームAI研究者・開発者。京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程を経て博士(工学、東京大学)。2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授、東京大学生産技術研究所特任教授・先端科学技術研究センター客員研究員、九州大学客員教授。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、日本デジタルゲーム学会理事、人工知能学会編集委員会副委員長・シニア編集委員、情報処理学会ゲーム情報学研究会運営委員。『大規模デジタルゲームにおける人工知能の一般的体系と実装 -FINAL FANTASY XVの実例を基に-』にて2020年度人工知能学会論文賞を受賞。

副田一穂
1982年、福岡県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻(美術史学)修了。愛知県美術館主任学芸員。ミュージアムから見たゲームについての寄稿に、「ミュージアム・コレクションとしてのヴィデオゲームをめぐる諸問題」、「アナログゲームから読み解くアーティストたちの実践」(『美術手帖』2020年)などがある。

その誕生以来、次々と進化を遂げてきたゲーム。オンラインゲームは子どもたちの公園となり、パンデミックの真っ只中には結婚式や卒業式、抗議活動の舞台となり、時にはバンドの新譜のプロモーションにもなります。では、そうして進化していくビデオゲームの定義とは?そして、芸術的視点から見たゲームの独自性とは? ゲーム研究者、アーティスト、キュレーターのそれぞれの視点からビデオゲームを解き明かし、その可能性を語ります。

登壇者
真鍋大度(アーティスト)
吉田寛(東京大学/感性学・ゲーム研究)
丹原健翔(キュレーター) 

 

登壇者プロフィール

真鍋大度
2006年Rhizomatiks 設立。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さや、アナログとデジタル、リアルとバーチャルの関係性、境界線に着目し、様々な領域で活動している。

吉田寛
1973年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授、教授を経て、現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授(美学芸術学)。感性学の観点からゲーム研究を行っている。立命館大学在職時の2011年に立命館大学ゲーム研究センターを設立。現在はライプツィヒ大学日本学科客員教授としてライプツィヒ(ドイツ)在住。近著に『ローカルとグローバルの間の日本の現代メディア文化』(共編著、英語、2021年)。

丹原健翔
1992年東京生まれ。ハーバード大学美術史学科卒業。現代におけるコミュニティの通過儀礼や儀式についてパフォーマンスを中心にボストンで作家活動をしたのち、17年に帰国、国内で作家・キュレーターとして活動。サイトスペシフィックな作品や展示をつくることを中心に、鑑賞者のまなざしの変化を誘発することを目的に制作。作家活動を行う傍ら、ギャラリーなどの展覧会のキュレーションをはじめ、アートスペース新大久保UGO創設者、一般社団法人オープン・アート・コンソーシアム代表理事など。 21年12月から「ソノアイダ#新有楽町」のプログラムディレクターを務める。

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