国際アート都市としての京都

長い歴史と独自の風情を今もなお多く残す京都。伝統芸能や工芸が今なお息づいているのと同時に、多くの国際的な現代アートや写真、パフォーマンスなどの文化イベントが日々開催されています。ACKのクロージングトークとして、京都を取り巻くさまざまな要因を踏まえて伝統や既存の風景を守りつつ、世界的な文化の中心地としてどのように存在感を発揮することができるのか、国際アート都市としての京都の可能性について模索していきます。

登壇者
井上智治(一般社団法人 カルチャー・ヴィジョン・ジャパン 代表理事)
西脇隆俊(京都府知事)
寺瀬由紀(アートインテリジェンスグローバル ファウンディングパートナー)

モデレーター:山下有佳子(ACKプログラムディレクター)


登壇者プロフィール

井上智治
1955年大阪府生まれ。2015年2月一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン(CVJ)代表理事就任。CVJは、2014年に文化芸術国日本の実現に向け活動を開始。日本の文化芸術分野のクリエイティブ、産業、行政、学術のメンバーが集うプラットフォームとして、様々な文化経済戦略事業を継続して行っている。
現在、㈱井上ビジネスコンサルタンツ代表取締役、㈱美術出版社取締役会長、楽天野球団㈱取締役等、複数企業の役職にも就いており、東北楽天オーナー代行、パ・リーグ理事長なども務めた。
また、日本スポーツ産業学会理事長、早稲田大学商学学術院客員教授、早稲田大学総合研究機構客員上級研究員(研究院客員教授)も務める。

西脇隆俊
1955年京都府生まれ。1979年東京大学卒業後、建設省(現:国土交通省)入省。道路局次長、総合政策局長、大臣官房長、国土交通審議官などを歴任し、2016年に復興庁事務次官に就任。2018年4月に京都府知事選挙に出馬し、当選。2022年4月の同選挙にて再選し、2期目を務める。また、関西広域連合副広域連合長、全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部副本部長などの役職も兼務する。

寺瀬由紀
2021年6月末まで、世界で最も歴史のあるオークションハウス、サザビーズの現代美術部門、アジア統括及びシニア・ディレクターを歴任。成長目覚ましいアジアの現代美術マーケットにおいて、顧客開拓及び市場拡大を担う。在任中、同社のアジアにおける現代アートオークション売上は3倍の成長を記録。2021年11月より、NYと香港を本社とするアートインテリジェンスグローバル社をサザビーズ社ファインアーツ部門前チェアマンらと共同設立。アジアがますます重要性を増し、日々刻々と変化するアート市場において、グローバルな経験、ネットワーク、知見を活かし類を見ないトップレベルのサービスの提供を行う。

山下有佳子
1988年、京都で茶道具商を営む家庭に生まれる。 慶應義塾大学卒業後、ロンドンのサザビーズ・インスティチュート・オブ・アートにて アート・ビジネス修士課程を修了。サザビーズロンドン中国陶磁器部門でのインターンを経て、サザビーズジャパンにて現代美術を担当。2017 年「THE CLUB」を設立。2022年「Art Collaboration Kyoto」プログラムデ ィレクター、そして京都市成長戦略推進アドバイザー(アート市場活性化担当)就任。京都芸術大学の客員教授も務める。

多様な価値観が共存し、日々新しいアートの形が問われている現代において、アーティスト同士やギャラリーとアーティストの間においてのみならず、ギャラリー同士の協働関係がより一層重要視されています。そうした国際的なつながりと協働が求められる中、文化横断的な視点の必要性はさらに高まっているといえるでしょう。本トークでは、それぞれ異なるバックグラウンドを持つ登壇者を迎え、国際的な視点から今日のアジアのアート界のあり方について俯瞰していきます。

登壇者
セイディ・コールズ(Sadie Coles HQ オーナー)
ジェフリー・ローゼン(MISAKO & ROSEN オーナー/ディレクター)
ホリー・ルーセル(ユーレンス現代美術センター キュレーター)


登壇者プロフィール

セイディ・コールズ
1963年イギリス生まれ。ミドルセックス大学(ロンドン)を卒業後、英国の美術商 アンソニー・ドフェイのもとで6年間働き、1997年にロンドンを拠点とするSadie Coles HQをオープン。現在はロンドン中心部に3つのギャラリーを構え、歴史的評価の高い作家から新進気鋭の若手まで約50名の国際的なアーティストを紹介している。
また、近年では、アルバロ・バリントン、ユ・ジ、ヘレン・マーテン、マーティン・シムズなどの若手作家が参加している。

ジェフリー・ローゼン
1977年アメリカ・テキサス州生まれ。2006年、東京の現代美術ギャラリーMISAKO & ROSENを、妻のミサコとともに設立。ベルギー・ブリュッセルのコラボラティヴなギャラリープロジェクトLA MAISON DE RENDEZ-VOUSに参画している。NADA(ニュー・アート・ディーラーズ・アライアンス)の評議員の共同代表および、IGA(国際ギャラリー連盟)のメンバーでもある。
「アートは競争ではない」というモットーのもと、現代美術に対する利益追求型のアプローチに対抗するためのオルタナティヴでありながら商業的に成立するモデルを確立していくことの必要性に信念を持っている。

ホリー・ルーセル
1989年アメリカ・バーモント州生まれ。アジアの現代美術と写真を専門とするキュレーター、博物館学者、美術史家で、スイスと中国を拠点に活動。現在は中国を代表する現代美術の専門機関であるユーレンス現代美術センターのキュレーター。また、上海に2023年開館予定のFotografiska Shanghaiのアーティスティック・アドバイザーおよび、2022年のパリフォト内で若手アーティストとギャラリーを紹介するCuriosa部門のキュレーターも務める。
これまで世界中のフェスティバル、ビエンナーレ、および美術館で20以上の個展・グループ展を企画。2022年には、国立現代美術館ソウルの国際キュラトリアル・リサーチャー・イン・レジデンスに参加している。

Internet Explorerでの閲覧は非対応となっております。

お手数ですが、
Microsoft EdgeGoogle ChromeFirefoxなど
他のブラウザにてご利用ください。